AR開発に携わる際に気をつけたいデザインと安全対策

世界を拡張する注目の新技術「AR」

ARならではのUI/UXデザインと安全への配慮

ARならではのUI/UXデザインと安全への配慮

より安全に楽しむためのUI/UXと安全性

画面固定ではなく空間に配置するUI

従来のスマートフォンアプリでは、画面の四隅にメニューや操作ボタンを固定するのが一般的です。しかし、ARアプリで同じことをしてしまうと、カメラが捉えている「せっかくの現実風景」をボタンが大きく遮ってしまいます。これでは没入感が薄れ、ただの2Dアプリの延長線のように感じられてしまいます。
そこでAR開発では、3D空間上の床や壁、あるいは配置したオブジェクトそのものにUI(操作ボタンやテキスト)をなじませる「配置型UI」を意識してみましょう。例えば、キャラクターの頭上にメニューを浮かべたり、進むべき方向を床に直接矢印として描いたりする方法です。ユーザーが画面のボタンを操作しているのではなく、目の前の現実世界に直接触れているかのような直感的な体験をデザインしてくださいね。画面全体を現実世界のために広く開けておくことこそが、没入感を高める最大のコツです。

ユーザーを迷わせない平面検知の説明

ARアプリの多くは、アプリを起動した直後にカメラを使って周囲の床や壁のデコボコを認識する平面検知というステップが必要です。技術的にはカメラを動かして周囲の特徴点を掴む必要があるのですが、初めてアプリを触るユーザーはそれを知りません。そのため、画面に何も指示がないと、ユーザーはスマートフォンを構えたままじっとフリーズし、不具合を疑ってしまいます。
これを防ぐために、画面上に「スマホをゆっくり左右に動かしてね」といったイラストやアニメーションを表示し、ユーザーを優しく誘導するナビゲーションを必ず取り入れましょう。さらに、平面が正しく認識された瞬間に、床にグリッド線を表示したり効果音を鳴らしたりして「準備OK!」と伝える演出を入れるとさらに親切です。この起動直後のちょっとした優しさが、ユーザーの離脱を防ぎ、アプリの評価を大きく左右します。

没入感を邪魔しない安全への配慮

ARの世界は現実とバーチャルが融合する素晴らしい体験ですが、ユーザーが画面に夢中になるあまり、周囲の障害物にぶつかったり道路へ飛び出したり、段差を踏み外したりする危険性を孕んでいます。スマートフォンの画面に集中すると人間の視野は極端に狭くなるため、ユーザーの安全を守る設計は、AR開発において何よりも優先されるべき大切な要素です。
具体的な対策として、アプリ起動時に「周囲の安全を確認してください」と注意を促す案内を表示する方法があります。さらに一歩進んで、端末のセンサーを活用し、一定以上の移動速度を検知したときはARの画面を一時停止して「歩きながらの操作は危険です」と全画面で警告するようなシステムを組み込むのもおすすめです。楽しさの土台には必ず安全性があります。ユーザーが最初から最後まで安心して楽しめる仕組みを、開発者の思いやりとしてあらかじめ設計に組み込んでおきましょう。

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