5GによってAR開発は加速していく
現在主流の通信規格である4Gに続く次世代通信技術が「5G」です。これまでよりも通信速度が20倍も速く、遅延も減ることから大きな注目を集めています。5Gが主流になればリアルタイムで大容量の通信が可能となり、多接続性を活かしたIoT技術の進化も見込めますよ。
5G導入が推し進められている背景には通信量の増加があります。インターネットが広く普及したことから無線通信量は増加を続けており、解像度の高い映像や精巧なデータのやり取りをする機会が多くなっています。今後も通信量は増加していくことが予想されているため、遅延なく高速で大容量のデータを送れる5Gが必要不可欠というわけですね。5Gの導入は2020年から順次進められています。まずは通信需要の高いエリアを対象にサービスの提供が進められている状況です。
ARと5Gは非常に相性がよく、多くの企業が5G時代の到来に先駆けてARを活用した新サービスの開発を進めています。以下に、企業やメーカーが開発しているARを用いた5G実証実験の事例を紹介します。
KDDI株式会社と株式会社デジタルガレージが手を組んで開発を進めているのが、ARとVisual Positioning Serviceを活用した「都市向けデジタルトランスフォーメーション」です。渋谷エンターテック推進プロジェクトの一環として実証実験を行いました。ユーザーが施設やランドマークに行くためのナビゲーションシステムで、アプリを搭載したスマートフォンを渋谷の街にかざすことで現在地に応じたデジタル情報が表示されるというものです。天気予報や電車の遅延情報、飲食店の情報などを見ることができますよ。渋谷は積極的に5Gの導入を進めている地域です。今後、5Gによって渋谷の街がどのように変わっていくのかとても楽しみですね。
株式会社NTTドコモとSymmetry Dimensionsが開発しているのが「建築・土木業界向けソリューション」です。実在する場所や人、物などの情報を収集し、仮想空間上にデジタル映像を表示させるシステムです。現場の正確な再現が可能となるため、わざわざ現場に足を運ばなくても調査や計量が可能となり、業務が大幅に効率化されます。
ソフトバンクグループ株式会社が力を入れているのは「スポーツ観戦」の分野です。すでにバスケットボールの国際大会でAR技術を活用したプレサービスを展開しており、大きな注目を集めていますね。複数のカメラで撮影した試合映像をARグラスに転送することで、座席の位置に関係なく好きな場所から試合を観戦できます。プレサービスを展開した時点では若干のタイムラグがあったようですが、これから技術が磨かれていけば次世代のスポーツ観戦が実現することは間違いありませんね。
インプットとアウトプットは、ARアプリ開発のアイディアを生み出すために欠かせません。具体的には、読書、他者と意見交換をするブレーンストーミング、紙に自身のアイディアを書き出していくペーパープロトタイピングがあります。
AR技術を搭載したアプリはすでに様々な分野からリリースされています。例えば、幅広い層のユーザーから人気の「ポケモンGO」や「ドラゴンクエストウォーク」も、AR技術を組み込んでいるんですよ。
ARは「Augmented Reality」の略で、日本語にすると「拡張現実」という意味です。現実世界の情報に新たな情報を追加して世界を拡張することができる新技術であり、大きな注目を集めています。